【院長の勉強部屋】体を表現する「方向」

からだの面、方向

 解剖学の基礎の基礎

基本的なルールがあります。

解剖学の本を読むとき、解剖学の話をするときに、漢字であるとか言葉の使い方であるとか普通の日常ではちょっとないようなルールがいくつかあります。

基本的な「向き」であるとか「部分」であるとか「面」。

こういった解剖学の基本の基本をやっておくと解剖学の本が読みやすくなります。

解剖学的肢位(かいぼうがくてきしい)

 「解剖学的肢位(かいぼうがくてきしい)」という言葉があります。

「肢位」というのは普通の日本語では使わない漢字だと思いますけれども、英語でいえば「ポジション=位置」という意味です。

解剖学のことを英語で「アナトミー」といいますので、「アナトミカル・ポジション」ともいいます。

解剖学的肢位とは何かというと、ぼんやり突っ立って、つま先を前に向けて、顔は前を向いて、手のひらを正面に向けて立つこと。

これをアナトミカル・ポジション、あるいは解剖学的肢位と言います。

普通、ぼんやり突っ立てば、つま先前で顔も前に向くでしょうから、アナトミカル・ポジションになるうえで大切なポイントは、

普通にだらりと腕をおろすと手のひらは内側に向いてしまいますので、意識して手のひらを前に向けてぼんやり立った状態、これを言います。

解剖学的肢位、アナトミカル・ポジションという言葉を憶えましょう。

手のひらを前に向けて突っ立った状態だということ。

左右のルール

解剖学の世界で「左右」といった場合に、相手に向かって、紙に向かってではなく、対象にされている相手であるとか、その肉体であるとかにとっての左右です。

解剖学の世界では「向かって右」などということは一切考えません。

誰が何と言おうと、どこであろうと、紙の上であろうと、実際の患者さんを相手にするのであろうと、患者さんが寝ていようと、立っていようと、右と行ったら患者さんにとっての右です。

「向かって右左」というのは、もう議論しない。というルール。

こういうふうにしてしまえば左右を取り違えるということがなくなります。

当たり前のことをと言うかもしれませんけど、大切なポイントですね。

右手左手という言い方があるから問題ないにしても、左右のみならず、上とか下、あるいは外側、内側などについても同じルールを適用します。

誰が何と言おうと患者さんにとっての上下です。

からだの方向

からだの方向には上下、前後、内外、そして上肢には特殊な用法があります。

体のあっちだこっちだという方向の言葉のルールのお話です。

上下、前後、内外、そして上肢には特別な用法があります。

 

遠位(えんい)・近位(きんい)

「遠位」という言葉と「近位」という言葉。よく使うものなので憶えてましょう。

これも日常生活では多分使わないと思います。

言葉の意味は次の通り。

正中線に、より近いことを「近位」である

正中線から、より遠いことを「遠位」である

という言い方をします。

正中線というのは体のど真ん中を通る線のことです。

からだを見た場合、肩は肘より正中線に近いです。

肘は肩に比べて正中線から遠いですね。

だから肘は肩より遠位にある。

あるいは肩は肘より近位にあると言います。

肘と手。

肘は手より近位にあります。

手は肘より遠位にあります。

上とか下とかは関係ありません。

正中線から見て遠いか近いか。

遠位、近位という言葉でした。

上下

頭側(とうそく)、尾側(びそく)という言葉。

上の方を頭側といって、その反対、下の方を尾側と言います。

頭の方に行くのが頭側で足の方に行くのが尾側です。

上方(じょうほう)、下方(かほう)という場合もあります。

また頭方(とうほう)、足方(そくほう)という場合も多いです。

頭側、尾側という言い方が一番一般的ですが、こういう言葉の使い方もけっこうします。

それから英語の呼び方もあります。

略語を使ってS、Iと言います。

S=Superior(スペリアー)=上

I=Inferior(インフェリアー)=下

以上、上下の使い方でした。

前後

前後。前、後ということもありますが、腹側(ふくそく)、背側(はいそく)と一般的には言います。

同じように前方、後方となりますし、略してA、Pという場合もあります。

A=Anterior(アンテリア)=前

P=Posterior(ポステリア)=後

「post ~」=~の後

内外

内側(ないそく)、外側(がいそく)と読みます。

どうしても普通の人はうちがわ、そとがわって読むのですが、解剖学ではそう言いません。

意味はそとがわ、うちがわと同じです。

読み方に気をつけるだけで意味は分かりますね。

解剖学的に言えば内側というのはより正中線に近い方のことです。

外側というのはより正中線から遠い方のことです。

そして、略語があります

M=Medial(ミディアル)=内側

L=Lateral(ラテラル)=外側

 

からだの方向について、例えば、

「手の親指は小指の外側にある」という言い方をします。

あるいは「足の親指は小指の内側にある」という言い方をします。

足の親指は常に小指の内側ですね。

手に関して言うと手のひらが前に向いていれば確かに親指は小指の外側にあります。

手の甲を前に向けたら、親指は小指の内側にあるって言いたくなります。でもそう言いません。

誰が何と言おうと、患者さんの手がどちらに向いていようと親指は小指の外側にあります。

何故そう言えるかというと、何を議論するときでも患者さんが解剖学的肢位になっていることを前提として議論しているからです。

ですので親指は誰が何と言おうと小指の外側にあるんです。

解剖学的肢位になっていると想定して「内」、「外」ということを言います。

ここら辺が一番最初に言ったアナトミカルポジション。解剖学的肢位の大切さです。

上肢に特別な表現

上肢には特別な表現があります。

上肢とは何でしょう。

「肢」という字もあんまり使いませんね。

上肢というのは肩から先のことを言います。

普通の言葉でいえば腕ですね。

肩から先にぶら下がってる部分のことを上肢と言います。

 

上肢はさらに3つの部分に分かれます。

この辺は普通に使う日本語と同じです。

肩から肘までが「上腕」で、肘から手首までが「前腕」で、手首から先が「手」です。

上腕、前腕、手というのは普通に使う日本語の通りです。

◆ 橈骨(とうこつ)

橈骨。これは普通には使わない日本語です。

「橈(とう)」と読みます。

どういうときに使うかというと、骨の名前、橈骨だね。

前腕というのは、実は2本の骨からできていて、そのうち親指の側、すなわち外側の方の骨を「橈骨」と言います。

橈骨が外側だというのはもう分かりますでしょうか?

解剖学的肢位であるから、前腕の外側の方にある骨を橈骨といいます。

◆ 尺骨(しゃっこつ)

前腕の2本ある方のもう一方の骨、内側の骨のことを尺骨と言います。

一尺、二尺っていうふうに言いますね。一尺のことをだいたい30cmぐらいっていのですが、

これはどうしてできたかというと、昔、定規や巻尺などなかったときの大工さんが、前腕の肘から手までで一尺、二尺と測りました。というのが由来で、この場合の一尺は尺骨と手の拳の長さを合わせたもの。だいたいこれが普通の昔の日本人では30センチでした。

だから尺を測る時に使った骨なので尺骨というわけです。

「しゃくこつ」じゃなくて「しゃっこつ」とつまりますので気をつけましょう。

そんなわけで前腕には外側に橈骨、内側には尺骨があり、そのことから前腕に関して言うと、あるいは上肢に関して言うと、「橈側(とうそく)」、「尺側(しゃくそく)」という言葉が生まれてきました。

親指の方の側、小指の方の側と言ってもいいのですが、橈側、尺側と言ったほうがスマートですね。

これは「外側」「内側」と言っても同じです。しつこいようですが、アナトミカル・ポジションを前提としますから橈側=外側。尺側=内側。

◆ 手

これは簡単です。

手のひらのことを手掌(しゅしょう)といいます。

手掌の「掌」という字は車掌さんの「掌」。

あまり使わない漢字かもしれないですがそんなに難しくないですね。

手については手のひらの側のことを「掌側(しょうそく)」、そしてその反対のことを「背側」と言います。

手のひらが手掌だから手掌の側だから掌側。

手の甲のことを「手背(しゅはい)」と言います。

手掌、手背。

手背の側だから「背側」、手掌の側だから「掌側」。

背側、掌側と言いますね。

 

これも解剖学的肢位に絡めて考えてほしいんですけれども、解剖学的肢位でいるということを前提にすれば掌側というのは=前方、もしくは腹側ですね。背側というのは=後方、あるいは背側。

あれ?たまたま手背の向きと背中の向きが解剖学的肢位で一致しているから同じ背側になったわけです。

 

ということで方向はおしまいです。

===================================================

【府中の整体マッサージ】新田カイロ整体

東京都府中市宮西町3-4-1T.K.Kビル1号室
京王線府中駅から徒歩7分

TEL:042-361-1100 「ブログを見て…」とお電話ください。
受付時間 平日10:00~20:00 土日祝10:00~16:00

お問い合わせフォームは24時間受け付けています。
質問、ご相談などお気軽にお問い合わせください。
===================================================

コメントを残す

このページの先頭へ